東京都内の異業種交流会(ビジネス交流会)には事業/自己PRタイムを設けているところもあります。
20名以上が参加していると全員とお話をするのが難しいため、予めある程度お話する相手を絞った方が効率的です。
- 自己PRタイムで皆さんの話を聞いて名刺交換をする相手を絞る
- 効果的なプレゼンをすることで注目を集め、受注・紹介・ビジネスパートナー等に繋げやすくする
名刺交換時の対面のPRと全員に発信するPRタイムはメリットが異なり組み合わせると大きな効果が得られますので、是非工夫をして成果に繋げてください。
事業・自己PRタイムを活用するメリット
名刺交換をしたときに質問されてもいないのにアピールばかりすると、相手や内容次第では自慢話を聞かされている印象を持ち、かえって悪印象を持たれてしまう恐れがあります。
それに対してPRタイムは『御社またはご自身の自信がある点をPRするための時間』です。
- PRタイム:強みを明確にアピールする
- その後の名刺交換や交流:初対面の場合が多いため、ビジネスの話題も交えつつ個人対個人のコミュニケーションを重視する
のように場面に合わせて工夫をすることで、ビジネスとご自身の両方に強い興味を持ってもらうことが可能になります。
効果的な自己PRによって得られること
皆様も参加者様方のPRを聞くと、様々な印象を持つはずです。
- 実績・経験があり、様々な事例に対応できそう
- 得意分野が明確で同業他社と差別化ができており興味深い
- 他の企業には無い珍しい事業をしている
- 自分のビジネスと親和性が高く、ビジネスパートナーとして動ける可能性がある
- 儲かってそう、人脈が広そう
- ビジネス云々に加えて人として魅力があり、今後伸びていきそう
効果的な自己PRをすることで、参加者様が抱く上記の印象をあなた自身も皆様に持ってもらえるようになり、その後のコミュニケーションに広がりが出ます。
その結果、PRタイム終了後に多くの方が話しかけにいくようになります。
向こうが興味を持って話かけに来てくれているのですから、コミュニケーションもしやすくなり、その後の継続的な交流次第でビジネスに繋がる可能性も高くなります。
PRの仕方。事業説明=PRではない
エンコレに限らず他の主催者様の異業種交流会においても、番号札と名簿を配布するところが多いです。
そのため「番号札のNo.」と「氏名」を最初にお話をした上で、その後は自由にPRしていただくことになります。
仕事の内容について説明して終わり、という方が多いですが、それは「事業の説明」であり「PR」とは言えません。
事業内容については名簿に記載しているはずですから、ただ読み上げても繰り返しになり新しい情報がありません。
その結果、他の方のプレゼンに埋もれ、何を離したのか覚えてもらえません。
それよりも皆様に興味を持ってもらえることを話すほうが効果的です。
以下にいくつか例として記載しますので、参考に考えてみてはいかがでしょうか。
同業他社と比較した強み
同業他社が少ない事業の場合は問題無いですが、多くの企業様には同業他社がいるはずです。
その場合は事業の説明をしても真新しい情報が無く、皆様が既にご存知の話になってしまうため、印象に残りにくいです。
そのため、少なくとも下記2つのどちらかで印象に残る必要があります。
- 対面での継続的なコミュニケーションにより信頼を得る
- 同業他社と比較した強みを明確にする
名刺交換のときは前者、自己PRタイムの場合は後者をアピールする場となります。
- ○○の業種に特化したサービスを提供した実績が多数あります
- 今までに○○社(具体的な数字)の導入実績があります
- ○○のような難しい案件も対応できます
「何でもできます=何もできない」という言葉があるくらいですので、何か強みを出せる場合はその点を明確にPRするのがお勧めです。
参加者様にとって有益な情報を流す
異業種交流会は人脈作りの場ですが、最終的にはご自身のビジネス発展を目的としている方が殆どです。
「ビジネス発展=受注」というのは勿論ですが、受注以外においてもご自身のビジネスに適用できる情報であれば喜んでもらえます。
わかりやすいのは、
- 参加者様に当てはまる可能性がある助成金
- イニシャル・ランニングに関する経費削減
- Googleのアルゴリズム変更など、既存のシステムに関する新情報
- アカウント乗っ取りや不正出金被害など、現在話題になっていることに関する情報と対策
等です。
ご存知のとおり、ベンチャービジネスは横の繋がりが増えることによって結果的に恩恵を受けられることも多いです。
「まずは与えることを考える」ことによって、今はニーズが無くても将来的に出たときに優先的に話を持ってきてくれるような人間関係作りに役立ちます。
大事なのは「相手があなたとコミュニケーションを取ることでどんなメリットを感じるか」であり「あなたがどのようなお客さんを探しているか」ではありません。
自分の売上のことしか考えていない人は、思っている以上に相手に伝わっているので注意しましょう。
ご自身の経歴や実績
「同業他社と比較した強み」と一部重なりますが、業務内容の説明を受けても、その方または会社がどれくらいの経験を持っており、どの程度の業務範囲に対応できるのかがわからないことも多いです。
名刺交換時のコミュニケーションでは自慢話に受け取られる可能性もあるため聞かれないと話題に出しにくい場合もありますが、逆にPRタイムでは全員に向けて発信することで興味を持たれやすい内容でもあります。
- ○○のような実績のある企業を中心にコンサルティングをしてきました
- ○○社でトップセールを受賞し、独立をしました
- ○○で受賞経験があります
- 現職に至るまでに○○を経験してきたため、○○には自信があります
PRタイムの特性を活かし、今までに積み重ねてきたことを存分にPRしてください。
紹介して欲しい人、紹介の仕方を伝える
業務内容や強みがわかっても、参加者様に何を求めているのか、どのような方がターゲットになるのかがわからないことも多いです。
- ○○のような方が知り合いにいらっしゃいましたらお声掛けください
- ○○について話題にあがったら「○○に自信を持っている方を知っていますよ」とご紹介ください
自分のことは経験があるからわかっていても、「周りの方は貴方が思っている以上に貴方の業務や受注の流れについてわかっていない」と思っておいた方が良いです。
紹介は信用が得られてから発生することですが、普段から紹介してもらいやすいような発信をしておくことが大切です。
ただし、「そんな話題普段出ないよ」という内容だとアンテナを張ってもらえないため、できるだけハードルを下げた内容にすることをお勧めします。
例えば「WEB制作をしています。WEBでの集客に興味がある方がいたらご紹介下さい」と言われても、初対面の方に紹介も依頼もしません。
人柄のPR
弊異業種交流会はビジネス発展を目的とした場ですので、ビジネス中心の対話になりやすいです。
その反面、知り合ってから受注に繋がるまで長期間を有することも多く、その場合は人対人のコミュニケーションの継続によりビジネスが発生することが殆どです。
毎回ではないですが、面白い話をして笑いを取る、趣味の話が中心、のように人柄のPRを中心にされる方がいます。
皆様のリアクションを拝見するととても好印象で、多くの方から話しかけられています。
当然のことですが「好印象を持っていただいてからビジネスに興味を持ってもらう」ということも多いです。
そのため、関係ができてくるほど貴方のPRタイムにも耳を傾けてくれるようになります。
顔馴染みの方が少ないうちは、ビジネスよりも人柄のPRを中心にするのも一つの戦略です。
何らかの案件が発生したときに最初に頭に浮かべてもらえる人になれるように、個性を知ってもらうPRも他の参加者様と差別化ができて効果的です。
話し方を意識する
人前で話をすることに慣れていない方は、以下のようなプレゼンになりがちです。
- 下を向きながら話をする
- 声が小さい、または滑舌が悪く聞き取りにくい
- 早口すぎて話している内容が頭に入ってこない
- 声が暗い
- 無表情
慣れていない場合は仕方がないことですが、せっかく良い話をしても皆様の興味を惹けなければ伝わらず勿体無いです。
まずは上記のような話し方にならないように意識してみることをお勧めいたします。
時間配分について
エンコレを含め、多くの異業種交流会のPRタイムは1分前後と短いです。
当然、参加人数が多いほど1人あたりの時間は短くなります。
一度時間を測ってお話をしてみるとわかりますが、1分は意外と早く経過してしまいます。
これまでに記載した全てを詳細に話すと、3分でも足りません。
そのため全てを話すのではなく、話をしたい内容に合わせて無駄を省き、且つPRする情報の取捨選択をすることが重要になります。
- PRの時間配分例1
- 番号札のNo.とお名前(5秒)
- 仕事内容(10秒)
- 自社の強み(30秒)
- 探している人・紹介して欲しい人(15秒)
- PRの時間配分例2
- 番号札のNo.とお名前(5秒)
- 貴方の今までの経歴、実績(20秒)
- 経歴、実績から現在の仕事に至った経緯(20秒)
- 趣味など個人的なこと(15秒)
長い時間を話すと逆に印象が悪くなってしまいますので、手間にはなりますが一度でも時間を測りながらお話してみることをお勧めいたします。
また、詰め込みすぎると早口になってしまい理解されないため、たくさん伝えたいことがあってもグッとこらえて話題も絞りましょう。
自己満足なPRにならないように
全員がPRをするために異業種交流会にいらっしゃっているので、その中でも特に良い意味で印象に残るには工夫も必要です。
おかげさまで主催者もPRタイムを活用することで多くの紹介をいただいております。
興味を持たれない=他の人には響かない自己満足なPRになっている、またはPRしたい内容と参加している異業種交流会が合っていない可能性もあります。
※当然その日に参加している方次第でリアクションが変わるということもあります。
毎回同じ話をするより、毎回テーマを絞ってトライ&エラーをするなどしながら、成果に繋げていただけたらと思っています。